歯科処置について
高齢であったり、免疫力の低下したわんちゃん・ねこちゃんの多くは歯周病を起こしています。歯周病を放置すると、口の中の問題だけではなく、歯周病菌により肺、気管、心臓、腎臓など全身の臓器に影響をおよぼす可能性があります。 口の中が汚い、口臭が気になるなど、歯周病かもしれないと思われる場合には早めの診察をおすすめします。診察の結果、歯石除去の処置が必要と判断し飼い主様が希望された場合、処置の予約をとっていただきます。 処置は全身麻酔下で実施されます。
また、当院では不妊手術(避妊・去勢)の際に追加オプションとして歯科処置(歯石除去、乳歯抜歯)をご選択いただくことも可能です。ただし、歯の状態によっては同時にお受けできない場合もあります。
➡不妊手術(避妊・去勢)
歯周病とは
歯垢(プラーク)の中の細菌によって歯肉に炎症を起こす病気です。歯垢(プラーク)を放置すると、徐々に歯石に変化して歯の表面に付着します。歯石はブラッシングでは取り除くことができず、歯石の中や周りに細菌が入り込み、歯周病を進行させる毒素を出し続けます。
乳歯抜歯
乳歯は通常7ヵ月齢あたりで永久歯に生え変わります。永久歯が萌出しているのに乳歯が残っている状態を「乳歯遺残」といい、これは治療の対象となります。この抜けずに残った乳歯を放置しておくと、将来歯周病を起こす原因となります。今後の歯の健康管理のためにも積極的な乳歯の抜歯をおすすめします。処置は全身麻酔下で実施されます。不妊手術の際に一緒に行うケースが多いですが、乳歯抜歯のみを行うことも少なくありません。
処置例

写真をクリックしていただくと拡大および左右へのスライドでご覧いただけます。
処置の流れ
- 予約
診察後、処置の予約をとっていただきます。診察時に事前の検査(血液検査、レントゲン検査、エコー検査など)を行うこともあります。後日の電話予約でも構いません。 - 処置前日の食事
処置は全身麻酔をかけて行います。食事は前日の夜ご飯(22時まで)を最後にしていただき、残していても片付けてください。 - 処置当日の朝の食事
当日の朝ご飯につきましては、「①絶食」もしくは「②流動食」のどちらかをお選びいただく形となります。どちらの場合でもお水はあげていただいて構いません。指定の流動食以外の食事をした状態で麻酔をかけてしまうと危険な状態になることがありますので、もし与えてしまった場合には必ずご連絡ください。
①絶食:
朝ご飯を食べさせずにお越しいただきます。
②流動食:1,331円(流動食+シリンジセット)
当日の朝8時までに飲ませていただきます。流動食を飲ませていただくことにより、全身麻酔時の嘔吐のリスクが低減されるというメリットがありますのでぜひご検討ください。購入を希望される場合には処置予約時もしくはお電話にて事前にお申し付けください。その後、処置前日までにお受け取りをお願いいたします。残った分につきましては処置後に与えてください。使用方法などの詳細につきましてはお渡しする際にご説明させていただきます。 - 処置当日のご来院
当日は9:30~10:30の間に病院にお越しください。同意書にご記入いただき、わんちゃん・ねこちゃんをお預かりします。飼い主様には一旦帰宅していただきます。 - 処置前検査
麻酔がかけられる状態かどうかの血液検査(貧血、肝臓、腎臓などのチェック)を行います。検査結果によっては当日の処置を中止・延期する場合もありますのでご了承ください。その場合にはお電話にてご連絡いたします。 - 処置
処置前検査の結果に問題がない場合、12:00~16:00の間に処置を行います。 - 処置後
特に問題がない場合はご連絡いたしませんのでご了承ください。 - 退院
入院などの必要がない場合は、16:00~18:00の間にお迎えをお願いいたします。 退院時にご精算となります。退院後の自宅での過ごし方につきましては獣医師からご説明いたします。 わんちゃん・ねこちゃんとも基本的に日帰りとなります。
その他、ご質問がありましたらお電話もしくはご来院の上、直接スタッフまでお尋ねください。
処置料金
※現金割引適用後の料金となります。
※消費税込みの料金となります。
※料金は予告なく変更する場合があります。
歯科処置料金につきましては以下をご確認ください。
- 以下の料金には、診察、鎮静剤・鎮痛剤、全身麻酔、術中全身モニター管理、輸液、歯科処置、内服薬(抗生剤)の料金が含まれています。
- 別途、血液検査代がかかります。麻酔をかける関係上、必須の検査となります。詳しくは必須事項欄をご確認ください。
- 当院には非常に多くのわんちゃん・ねこちゃんが出入りします。1年以内に混合ワクチンを接種していない場合は、院内感染・歯科処置後の感染を予防するためにも、1週間前までの接種をおすすめします。当日の接種はできませんのでご注意ください。
わんちゃんの歯科処置基本料金

※上記の通り、5kg以上は10kgごとに5,500円が加算されます。
- 8歳以上もしくは持病がある場合、歯科処置前1週間以内に事前検査のための来院をおすすめします。
ねこちゃんの歯科処置基本料金

確認事項
必ずご確認いただきたい項目となります。
- 抜歯
抜歯および抜歯に伴う縫合などの処置内容により料金が加算されることがあります。抜歯を行うかどうかは麻酔下で歯周ポケットなどの検査を行って判断します。
➡抜歯:880円~3,850円/本
縫合:1,100円/針
※料金は歯の種類、状態により異なります。 - 乳歯抜歯
7ヵ月齢以上になっても乳歯が残っている場合は、今後の歯の健康管理のためにも抜歯させていただきます。
➡犬歯 :1,650円/本
切歯・臼歯:1,100円/本 - 注射
抜歯を行う場合、追加オプション内に記載されている「注射」は必須となります。予めご了承ください。料金は追加オプション欄をご確認ください。 - 爪切り
ご自宅での爪切りが可能な場合は、当日までに爪切りをお願いいたします。ご自宅での爪切りが難しい場合や、お預かりの際に長いまたは切っていない場合には当院の判断で実施させていただくことがありますのでご了承ください。
➡550円
必須事項
必須の項目となります。内容をご確認いただき、ご希望される番号(①もしくは②)をお選びいただく形となります。
- 血液検査
①簡易検査:麻酔がかけられるかどうかの最低限の生化学検査です。わんちゃん・ねこちゃん共通です。
➡5,060円
②スクリーニング検査:肝臓、腎臓などの内臓の詳しい検査です。4歳以上の場合におすすめしております。
➡わんちゃん:11,990円
➡ねこちゃん:9,680円
追加オプション
歯科処置と同時に行うことのできるオプション項目です。予約時もしくは当日のご来院時に詳細が記載されている用紙をお渡ししますので、ご希望の項目にチェックを入れていただき、当日にスタッフまでご提示ください。
- ウイルス検査(ねこちゃんのみ)
猫エイズウイルス・猫白血病ウイルス検査です。受けたことがない場合は一度受けておきましょう。
➡ねこちゃん:3,850円 - ノミ・ダニ予防薬
1ヵ月以内にノミダニ駆除・予防薬を滴下していない場合、院内感染予防のためにも滴下をおすすめします。
➡わんちゃん:1,265円~
➡ねこちゃん:1,210円~
※料金は体重により異なります。 - レントゲン検査
8歳以上の場合は、肺や循環器系の検査として胸部レントゲン検査をお受けいただいております。8歳未満でもご希望により検査することができます。
➡4,400円 - 注射 ※抜歯を行う場合、以下に記載されている「注射」は必須となります。予めご了承ください。
-コンベニア(抗生剤)
2週間効く抗生剤です。同居ねこちゃんとよく遊ぶ場合や、神経質で体をよく舐める場合におすすめです。 また、投薬が苦手な飼い主様にもおすすめします。
➡ 〔例〕3kgのわんちゃん・ねこちゃんで2,970円
※料金は体重により異なります。
-痛み止め
24時間効く鎮痛剤です。更なる疼痛ストレスが軽減されます。注射および内服薬で疼痛コントロールします。
注射 :歯科処置当日に注射します。
内服薬:2日目以降に飲ませるお薬です。ねこちゃんは2日分、わんちゃんは3日分でお出しします。
➡注射 :1,100円~
内服薬:220円~
※料金は体重・処方日数により異なります。
※ご希望により計5日間までお出しすることが可能です。
-血管補強剤・止血剤
歯科処置中の出血具合により、当院の判断で注射させていただくことがあります。それ以外の場合でもご希望により注射できます。
➡1,100円 - マイクロチップ装着
2022年6月1日に施行される改正動物愛護管理法により、装着が努力義務となります。また、マイクロチップは身元証明になります。麻酔の際に装着する場合は痛みがありません。GPSではありませんのでご注意ください。
➡3,960円(通常5,060円)
※別途ID登録料が必要となります。